今回はジャパンカップの出走予定馬の解説をしてみようと思います。
昨年はアーモンドアイがG1レース9勝目という史上初の偉業を成し遂げ、有終の美を飾り引退したレースだね。今年はコントレイルの引退レースであり、注目の集まる一戦。レースが本当に待ち遠しいね🐻💕
ジャパンカップ 出走予定馬解説(五十音順)
(※海外から参戦する馬は除く)
アリストテレス
前走京都大賞典からの参戦だね。キャリア4戦目の若駒Sで2着になってから、常に2000m以上の距離を使われてきた。2勝クラス勝利からの菊花賞だったけれど、あわやコントレイルの無敗の三冠を阻止するところだったね。4歳になってからはAJCCが始動戦だったけれど、陣営は状態的にもそこまで良くない中での出走だったと言っていた。それでも不良馬場の中山芝コースをこなし1着。適正馬場ではない中での勝利は大きかったと思うけれど、次走の阪神大賞典でその反動が出てしまい、単勝1.3倍の1番人気に支持されるも7着。直線ではムチが入るとフラフラとヨレる素振りがあり、体調も万全ではなくむしろ不調だったのかもしれない。天皇賞・春4着、宝塚記念9着と夏は厳しい結果に終わったけれど、秋初戦の京都大賞典で2着に好走。1000m通過後11秒台を刻み続ける厳しいラップだったけれど、4、5番手と先行して前で粘り切るタフさを見せた。1着マカヒキ、3着キセキもタフな馬場をこなしてきたスタミナに秀でる馬で、これらの相手にスタミナ勝負で善戦できたのは好印象だね。
ウインドジャマー
前走3勝クラスのダート戦を勝利し、オープン入り。芝レースは昨年の6月の未勝利戦以来だね。ダートの条件戦ではルメール騎手を背に4-5-1-1と健闘しているけれど、それ以前の芝レースでは0-2-3-5と勝ち星がない。いきなりこの舞台を選択したのはオーナーサイドの意向だと思うけれど、前走3勝クラスから参戦した馬は過去10年で4頭のみで1頭も馬券に絡んでいない。2015年に3勝クラスからジャングルクルーズという馬が参戦し4着とあわや大波乱となりかけたレースもあったけれど、芝2400m戦の経験が豊富だったというのとカレンミロティックが速いペースで逃げて先行馬が脚を使わされたということで後方勢に向いたレースだったと思う。距離も未経験で芝レースの実績も乏しいから、ここでは厳しいと判断せざるを得ないね。
オーソリティ
アルゼンチン共和国杯の勝ち馬だね。昨年に続き、2年連続で同レースを勝利した。とにかく東京コースでの成績が良く、3-1-0-0と連対を外していないね。さらに、これらはいずれも重賞でのもの。この成績は無視できないね。青葉賞の後に捻挫、天皇賞・春の後に骨折と長期休養を余儀なくされた時期もあったけれど、復帰戦ではいずれも快勝。掲示板を外すように大きく負けたのは昨年の有馬記念14着と今年の天皇賞・春10着のみ。東京芝2400mは昨年の青葉賞以来だけれど、当時のレースレコードを0.6秒上回る結果。過去10年でジャパンカップにおける前走アルゼンチン共和国杯組は0-0-1-18と結果が出ていないのだけれど、覆しうる器はあると思うよ。キセキ
前走京都大賞典からの参戦だね。アリストテレス同様厳しいペースを2、3番手で先行してスタミナ比べに持ち込んで3着。ゲート難から最後方からの競馬になることもあるけれど、重馬場の金鯱賞を上がり最速の35.9秒の末脚で追い込んできたりと7歳になっても元気いっぱいだね。近2戦はゲート練習の甲斐あってか先行策で競馬ができている。スローペースからの瞬発力勝負になるとやや分が悪いけれど、厳しいペースで後続が脚を使えなくなる展開なら狙いたいかな。今回のジャパンカップが同レース3回目の出走になるね。もう見られる機会も少ないだろうから応援したい1頭ではあるよ。
コントレイル
今回が引退レースだね。マイルCSのグランアレグリアといい一時代を築いた馬達が引退するのはやっぱり寂しいね。前走の天皇賞・秋では、2歳時以降上がり33秒台の末脚を使えていないことから、レース質的に他の馬を上位に取ったけれど、この時マークした上がりタイムは最速の33.0秒。正直驚かされたよ。スタート直前に体勢が崩れ、決してスムーズな発馬ではなく、道中も力みながらの競馬だった。迎えた直線ではエフフォーリアの後ろから外に抜け出し、そのまま突き抜けるかと思われたけれど、残り100m地点で手前を変換。ここでエフフォーリアにさらに離されてしまった。福永騎手がレース後に「もう1列前で競馬ができていれば」と言っていたように、最内枠での出遅れ、直線のロスというのは大きく影響したと思う。道中力んでから直線で開放されるかのように末脚を使うタイプだけれど、過去10年のジャパンカップ勝ち馬で上がり最速だった馬は2011年のブエナビスタのみ。必ずしも速い上がりの馬が勝つとは限らないレース質となっている。このジンクスを打破できるか、そして古馬になってから勝ちきれなかった苦難を乗り越え、有終の美を飾ることができるのか。大注目の一頭だね。
サンレイポケット
前走の天皇賞・秋がG1初挑戦だったね。3歳の春に骨盤骨折で1年4ヶ月の休養を余儀なくされ、競走馬として再挑戦できるかも危ぶまれていたけれど、復帰から1年足らずでオープン入りを果たす復活をとげた。初重賞ながら、昨年の新潟記念で3着、毎日王冠3着と健闘し、その後重賞ではしばらく結果が出なかったけれど、今年の新潟大賞典で初重賞勝利を飾る。次走の鳴尾記念ではオープン入り後始めて1番人気を背負うも6着。コーナーの厳しい中京コースを大外に回してのロスが響いたと思うよ。ハイレベルだった毎日王冠で勝ち馬シュネルマイスターと0.4秒差の6着、天皇賞・秋4着と6歳馬ながら力は着実に付けている。タフさと末脚による1発はあるかもしれない。シャドウディーヴァ
前走府中牝馬ステークスからの参戦だね。元々エリザベス女王杯を視野に入れていたみたいだけれどこちらを選んだね。重賞では勝ちきれない競馬が続いていたけれど、府中牝馬ステークスで初重賞勝利。後方で脚を溜め、末脚を活かす競馬で上がり最速の33.1秒の脚を使って外から差し切り勝ち。ローザノワールが1000m通過59.4秒と厳しいペースを刻んで逃げ、先行した馬には厳しく、後方待機勢に向いた展開ではあったと思う。(余談だけれどそのペースで先行して粘ったアンドラステの2着は評価出来ると思うよ。)東京芝コースでの実績が2-5-2-3と非常に優秀。負けたのはオークス、ヴィクトリアマイル、そして不良馬場のエプソムカップ。オークスはレースレコードになるくらい速いペース、ヴィクトリアマイルも同コースの東京新聞杯好走時より速いペースでの追走が求められた。
ジャパンカップは最終週の実施で、ある程度時計もかかり出しているから、道中のペースもそこまで上がらなさそう。楽な追走ができそうなら期待してみたい。
シャフリヤール
今年のダービー馬だね。今回のジャパンカップはダービー馬が4頭も出走する異例のレース。前走の神戸新聞杯では圧倒的1番人気に支持されるも、不良馬場に足を取られて4着に敗れてしまう。その後、疲労から菊花賞を回避したくらいだから、かなり反動があったと見て取れるね。神戸新聞杯の上位馬も菊花賞では全て馬券外となった。
日本ダービーではレースレコードを更新する走りを見せた。前走毎日杯組の不振を覆す圧巻の走りだったね。
皐月賞、天皇賞・秋を勝ったエフフォーリアと2回対戦し、共同通信杯では0.4秒差の3着、日本ダービーではタイム差無しで勝利とこの馬を物差しに考えるととても強く感じる。初の古馬混合戦になるけれど、ここでも好勝負を期待したいね。
マカヒキ
前走の京都大賞典では3歳時のニエル賞(フランスG2)以来の勝利となった。国内に限ると2016年の日本ダービーまで遡るね。アリストテレス、キセキの項目でも述べたけれど、厳しいペースで他の馬が脚を使えなくなったところを、隙間を縫うように伸びてきて勝利。これまで先行して好走してきたステイフーリッシュ、ダンビュライトが粘りきれず、末脚勝負で勝利してきたヒートオンビートも追走が厳しく末脚不発で終わっていることから相当厳しいペース展開だったとしみじみ思うよ。8歳馬ということでこれ以上の上積みは望みにくいかもしれないけれど、2400m戦での経験は豊富だし、ジャパンカップも今回4回目の出走で4着が2回。ダービー馬の意地を見せることができるか。
ムイトオブリガード
天皇賞・秋からの参戦だね。レース前に陣営は逃げも考慮していたみたいだけれど、行き足がつかず結局後方からの競馬となった。4,5歳時は東京競馬場で勝ち星を多く上げ、アルゼンチン共和国杯を2年連続で好走するなど力をみせていたけれど、2020年は阪神大賞典の一戦のみで、今年に入ってレース数は消化するもなかなか厳しい結果となっている。元々福島記念に出走だったけれど、こちらの舞台を選んだ。ブリンカー着用2戦目で効果を発揮できるかだね。
モズベッロ
前走天皇賞・秋からの参戦だね。後方待機で内めを通るロスの少ない競馬だったけれど、直線に向いた時は他馬に揉まれて行き場を失ってしまう。天皇賞・秋の出走馬解説の時にも書いたように、どちらかというと重心の低さを活かした馬場の悪い中でのレースが向いていると思う。叩き3戦目で上積みがどれほどあるかだけれど、距離短縮時の成績が2-2-1-2なのに対し、距離延長時が2-1-0-7となっている。今回は400mの距離延長ということで少し狙いにくいかな。ユーキャンスマイル
前走の天皇賞・秋は距離不足だったと陣営はコメントしているね。それでも上がりタイム33.4秒と6歳になっても速い上がりが使えている。流石に位置取りが後ろすぎたと思う。今年の重馬場だった阪神大賞典2着と、タフな馬場になった時でも長くいい脚が使えるタイプだね。ひとつ気になるのは13頭以下のレースでの成績が5-3-0-3なのに対して14頭以上のレースだと2-1-0-9と大きく成績を落としている。この年齢で集中力を欠くことはないとは思うけれど、少し気になるね。
ユーバーレーベン
今年のオークスの勝ち馬だね。そのオークスはクールキャットとステラリアが厳しいペースを演出し、1着から6着までの馬が3、4コーナー10番手以下と圧倒的に後方有利の展開だった。元々ギアチェンジが遅く、それまでのレースでもまくるような競馬で差し損ねが続いていたけれど、この2400mという距離でやっと本領発揮ができたと思う。状態不安で前哨戦を回避し秋華賞へ直行ローテーションで挑んだけれど、13着と大敗してしまった。エイシンヒテンが逃げ、スローペースは想定されていたけれど、本来は早めの仕掛けが欲しかったと思う。その仕掛けができるほど馬が良くなかったのか、デムーロ騎手も「3,4コーナーで反応がなく、直線ではバラバラだった」と言っている。今回は仕切り直しの一戦かつメンバーレベルも上がる。距離は合っていると思うけれど、牡馬混合戦は札幌2歳S以来。今回前走馬体重500kgを超える馬が5頭おり、大柄な馬に圧倒されないかは少し心配かな。
ロードマイウェイ
前走アルゼンチン共和国杯からの参戦だね。最後に勝利したのは2019年のチャレンジC。そこからはオープン、リステッド競走でも結果が出ていない。2走前の京都大賞典では5着となりここに来て成長しているかと思ったけれど、厳しいペースに付き合わず後方で脚を溜めて直線だけの競馬になったというのは否めない。次走のアルゼンチン共和国杯でも13着に敗れており、いきなりG1での激走は想像しにくいかな。ワグネリアン
前走富士ステークスからの参戦。2018年のダービー馬でもあり、中距離路線で活躍を期待されていたみたいだね。ただ、年々速い上がりを使えなくなっており、瞬発力の要する馬場には向かなくなっている。前走の速い上がりが求められた富士ステークスはやや向かなかったかと思うけれど、それでも勝ち馬ソングラインと0.6秒差の6着。初めてのマイル戦でも上手く流れに対応していた。ノド鳴りの手術の影響で昨年の宝塚記念以降は休養、復帰戦の京都記念は5着。大阪杯は馬場の悪さに泣かされたかな。
東京芝2400mは2018年日本ダービー勝利、2019年ジャパンカップ3着と好走している舞台でもあるね。ダービー馬復活の可能性も無きにしもあらずだと思うよ。
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以上、ジャパンカップの出走予定馬の解説をしてみたよ。
海外から参戦する馬についても解説ができればと思ったけれど、参戦する馬が海外で行ってきたレースのレベルの比較、こなしてきたレースのラップといった情報が無いことから今回は割愛させていただきます。
ちなみに外国馬の過去10年の成績は0-0-0-29と厳しいデータがある。馬場の違いや長距離輸送等の影響があるのだと思うよ。
皆様の予想の一助になれば幸いです🐻💕
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